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合掌。
鎌倉にて庄司次郎・稲氣入道など被討之時、稲氣の舎弟ゆゐの七郎といふ者、遠景入
道之許に出来りて云、己被結悪縁、不可免其難。雖須自害、年来有往生極楽之
望。自害は臨終の正念、恨不如本意。又傳聞被刎頸之者不往生伝々。依之御房
のみこそ令哀憐給はめと、所参向也。可然者向西方合掌、唱念佛之間、可刺殺
伝々。遠景随喜悲泣申事由、濱に將行きて刺殺すの處、十二刀まで一切念佛の聲不
休。千時止念佛云、猶可死之心にもせぬ也。心先を可刺伝々。又高聲念佛之間、
如云心先を被刺之時、止聲氣絶了。休。千時止念佛云、猶可死之心にもせぬ也。心先を可刺伝々。又高聲念佛之間、
古事談 第四 勇士 138頁 (国史叢書)
古事談 第四 勇士 139頁 (国史叢書)